復職のワクワクと不安

「看護師としてもう一度働きたい」

「少しずつ経験を重ねてゆくゆくはバリバリ働きたい」

と、復職にワクワクドキドキ

また、ブランクの不安も抱えつつ心配は尽きない


何よりも家庭の環境が変化してしまうことが問題となる

働く楽しみがありつつも

まだやってもいないことを妄想し

不安に陥る

そしてそのほとんどは心配した通りになることが少ない


期待と不安の中、復職することは生活リズムを変え

子どもの預け先を決定し

通勤の道をシュミレーションしてみたり

帰宅後を想像してみたりと

ものすごい労力がいる


いざ働きにいくものの

すぐに保育園からの連絡に焦ることも


子どもは環境の変化で体調を崩しやすくもあるが

順応もしやすい


復職後、すぐに思うことは

「やっぱり働くのは早かったかな?それとも働かなければよかったのかな」

と自信がなくなってしまうことだ。


それもそのはず

働き続けている看護師ですら

3日間、休みが続くと仕事の波に乗れない時がある

そのくらい、目まぐるしい現場


だから復職を目指す看護師はまず

仕事に慣れることと同時に

生活に慣れていくこと


「覚えなきゃ、早く覚えなきゃ」と

気持ちばかりが先行してしまうが

覚えるには経験を積んでいくことが近道


だから、失敗をしても

ビビることなく、何度も経験を積んでいくことが大切

「私にやらせてください」

その人ひと声もやる気の証拠として周囲に認めてもらう作戦だ


とにかくやること

積むこと


教科書やメモ書きは復習程度でいい


そしてはじめからできる人は世の中存在しない

みんな失敗してきたんだ

インシデントは山ほど

どんな大ベテランや完璧主義な人も

人には言えない大きな失敗をしてきたはず


私が手術室で働いている頃

大物の先輩がプリセプターとして

密着指導をし続けてくれた


指導され頭が真っ白になったのははじめて

後ろから横から前からキーキー言われ続けてきたので

耳鳴り、夢に出てうなされる、機械音がするなど

精神的にかなり参っていた時期があった


でも大物の先輩は誰もが認めるスペシャリストで

看護師として完ぺき


元気のない私に一言

「昔、清潔の台にシリンジの袋を落としちゃったんだ」


人の失敗で安心するなんて

なんだか性格悪いけど

大物の先輩の人間らしい部分をはじめて見た気がして

なんだか嬉しかったことを覚えている。

そして10年経った今、大物先輩に感謝している


失敗をどう生かすかは自分次第

先のことを考えればキリがないが

来年の今頃は新人を指導しているかもしれない

頼られる存在になっているかもしれない

そしてやりがいを感じているかもしれない

仕事をしている自分に自信がついているかもしれない

看護師ライター 中澤真弥

現役看護師として働きながら、ライターとして活動しています。(撮影も可) 得意分野は看護師としてのリアルな体験記事と復職支援です。 マイナビ看護師「ナースぷらす」の復職支援アドバイザーとしてコラムを連載中

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